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キッチンや風呂、トイレなどの水まわりのトラブルが起こった際には、投込広告やチラシ、電話帳広告などを見て「低料金」と思って業者を呼ぶことが多いが、こうした緊急時の要請に応じて来訪した業者との間で料金やサービス内容に関する苦情が相次いでいる。
国民生活センターによると、広告で低料金をうたう水回り修理サービスを利用した消費者が、広告表示より高額な料金を請求されたという相談が多数寄せられている。2007年度(12月10日まで)の相談件数は795件と、前年同期に比べ52.3%増えた。
相談事例
(1)広告表示と比べ高額になった事例
投込広告やチラシ、電話帳広告などに記載された「水漏れ修理 基本料金3,000円〜」などの表示から、低料金で済むと思って修理を依頼したところ思いがけない高額請求を受けたという相談が数多く寄せられている。
事例1:蛇口の交換が必要と言われ、広告の金額よりも高額に】
電話帳広告に掲載されていた業者に電話し、台所の蛇口の水漏れ修理を依頼した。来訪した作業担当者は蛇口の交換が必要と言ったが、料金は説明しなかった。広告には「基本料金3,000円」と記載されていたのに、作業終了後に示された金額はその18倍以上だった。内訳を見ると、単水栓はホームセンターでは1,200円程度で販売されていたが、業者の単水栓の請求金額は25,000円であった。全体として高額すぎると思うので支払いたくない。 (契約当事者:50歳代 女性 無職 契約金額:約55,000円)
【事例2:簡単な風呂場の排水管の詰まりの修理で高額な請求】
風呂場の排水管が詰まったので、「下水の詰まり 5,000円〜」と書かれた投込広告で見た業者に電話した。来訪した作業担当者が薬剤とポンプ使用で直れば65,000円だと言うので、高いとは思ったがやむなく承諾した。作業は15分程度で終わり、簡単な作業に見えたので65,000円は高額すぎると言ったところ、作業担当者は「作業時間は料金には無関係。詰まりは直ったのだから料金を支払え」などと言った。納得できず業者の広告に記載されていた番号に電話しても、「料金は作業担当者が決めるのでこちらではわからない。作業担当者と話をするように」と言うだけだった。その後、作業担当者から電話があったが、威迫的な態度で一方的な主張を繰り返し、交渉にならない。高額すぎると思うので支払いたくない。 (契約当事者:60歳代 男性 給与生活者 契約金額:約65,000円)
(2)十分な説明をせず、想定外の作業を行った事例
水漏れや詰まりの修理を依頼するため業者を呼んだが、原因や状況を十分説明されず、とにかく設備を交換しなければならないと告げられ、高額な契約をしてしまったという相談も寄せられている。また、消費者が作業に不満を述べると作業途中で帰ってしまうというケースも見られる。
【事例3:シャワーの水漏れ修理のはずが了解なく浴室のタイルを剥がして帰った業者)
折込広告で見た業者に浴室シャワーの水漏れ修理を依頼したところ、来訪した作業担者は調査工事が必要と言い、立ち会った両親の了解も得ずに突然シャワー周辺の壁や床のタイルを剥がし始めた。驚いて、自分が作業の中止を求めたところ、壁や床からタイルを剥がした状態のまま放置して帰ってしまった。作業担当者は、帰り際、自分が気づかないうちに母に「この件に関し今後一切異議申立をしない」という書面に署名させていた。 (契約当事者:70歳代 男性 無職 契約金額:0円)
【事例4:水漏れ修理を依頼したのに高額なリフォーム工事に】
台所、洗面所、風呂場の蛇口が水漏れしていたので、新聞の折込広告と一緒に配布され家の中に貼っておいたシールに掲載されている番号に電話して業者を呼んだ。来訪した作業担当者は、「壁の中に水が漏れてしみこんでいる」「何箇所も不具合がある」と水道管全部の工事が必要だと言った。付随する台所のシンク等も替えた方がよいと言われ、結局640万円もの大掛かりな工事契約をしてしまった。後日、金額に納得できず再見積りを依頼し値下げしてもらったが、やはり水漏れ工事だけでよかったので、解約したい。 (契約当事者:50歳代 女性 自営・自由業 契約金額:約640万円)
(3)業者の説明不足や威迫的な態度に問題があった事例
消費者が事業者の電話窓口に苦情を申し出ても、作業担当者と直接話すように言われることが多い。苦情を申し出たところ、威迫的な
態度で請求されたために怖くなって業者に者と直接話すように言われる。
【事例5:便器の交換が必要と言われたトイレの詰まり修理】
トイレが詰まったので電話帳広告で探した業者に電話した。修理担当者は、便器の状態を見て「これは便器を取り替える必要がある」と言った。なぜ取り替えなければならないのかたずねると、「尿酸が詰まっているので便器を取り替えるしかない」と説明されすぐに取り替えられてしまった。3日後にまた詰まったため業者に電話したところ、別の人が来て、ラバーカップで吸い上げただけですぐに直った。便器の交換は必要なかったと思うので、業者に苦情を申し出たところ「交換は必要だった」「素人が何を言うか」等と強い口調で言われ取り合ってもらえない。 (契約当事者:60歳代 男性 無職 契約金 約25万円】
【事例6:高額な料金の振込をせずにいたところ脅すような電話がかかってきた】
トイレが詰まったので、投込広告で見た業者に来訪を依頼した。作業担当者は料金のことは何も言わず作業を始めたが、なかなか直らなかった。作業担当者は高圧洗浄をしないと直らないと言い、その時初めて料金は13万円になると言われた。作業終了後に夫が帰宅し、高額なので適正金額かどうか確認した後に支払いたいと申し出た。その場では頭金として3万円を支払い、帰ってもらった。その後、何日か家を空けていた間に「逃げられた人は一人もいない」「水道が止まっちゃうので早く連絡を」などと脅すような電話があった。電話の直後に水が出なくなったことから、業者が自宅まで来て水道の元栓を閉めた疑いもある。業者が信用できないし、あと10万円も支払う必要があるとは思えない。 (契約当事者:30歳代 女性 家事従事者 契約金額:約13万円)
苦情から見た問題点
(1)広告に書かれた料金ではサービスは受けられない チラシ等の広告には、「水漏れ修理 3,000円〜」といった価格表示と割引サーにス(「広告提示により2,000円割引」など)が付いていることが多い。しかし、現場で提示される料金は広告に表示された金額とはかけ離れて高額になることが多い(事例1、2)。また、作業終了後に渡される請求書では「出張費」や「作業点検費」などが計上されており、このことは広告に書かれていない場合が見受けられる。 消費者は広告から数千円程度の低料金という印象を受けて業者の来訪を要請しているため、現場で高額な料金の支払いを求められることになるとは思いもよらない。
(2)作業内容について事前に説明されない< 業者によって行われる作業自体が、現場の状況を正確に把握した上で原因を検討し、討結果に応じた適切な修理等の作業が行われたかどうか疑わしいケース(事例3)、あるいは原因や作業内容について適切な説明が行われていないケースが見受けられる。 適切な作業が行われたかどうか疑わしい場合でも、作業前の状態を再現することができないため、消費者側でそれを検証することは困難である。
(3)高圧的な態度で接する業者も
作業担当者が消費者に対する十分な説明をしないまま、脅迫するような態度で高額な金額を提示するケースが見受けられる(事例5)。また、苦情を申し出た際に、消費者の話を聞かず高圧的な対応をされるケースも見受けられる。
(4)業者の苦情対応が不十分
水まわりの修理サービスを提供している業者の中には行広告に表示されているフリーダイヤルに電話があると、消費者宅の近くで営業している作業担当者に連絡し消費者宅を訪問させるシステムを取るところがある。このような業者の実態については、消費者側からわからないことも多い(※)。また、消費者からの苦情に対応するスタッフがいないというケースも見られる。消費者に知らされているのは広告に書かれたフリーダイヤルだけで、その番号に電話しても満足な対応がなされなかったり、「作業担当者と話をするように」と取り合ってくれないことがある(事例2)。家の中に入って作業をした人と直接話をすることに対して不安を覚え、苦情を申し出ること自体を諦める場合もあると考えられる。
※ 修理サービスで頻繁に行われるコマ、パッキン等の給水用具の部品の取替えやポンプ等での吸引作業や水道管等に対する薬剤使用については、水道管に直接触れるものではないので、特別な資格は不要であり、誰でも行うことができる。事業者の登録制度のようなものもない。
ただし、上水道工事については、水道事業者(市町村の水道局等)から指定を受けた事業者でなければ行うことができないという条例を定めている地方公共団体が多い。こうした条例がある場合、指定事業者以外の事業者による工事は、給水停止・工事のやり直し等を命じられることがある。また、下水道工事についても、地方公共団体の条例がある場合には、条例に基づく指定を受けた指定事業者でなければ工事を行うことができない。
(5)解決が困難な場合がある
修理のために消費者が自ら電話で業者に来訪を要請し、作業の結果、依頼した修理自体は問題なく完了している場合は、特定商取引法の適用対象外となりクーリング・オフはできないと考えられる。 しかし、水漏れを修理してもらうだけのつもりだったのにトイレや浴室のリフォームをすることになってしまったというケースのように、来訪要請の目的から外れるような内容の契約(事例3、事例4)であれば、特定商取引法の適用対象になるとも考えられる。 しかし、法定書面が交付されておらず、本来クーリング・オフが認められるべきであるのに業者がクーリング・オフを認めないケースもある(事例4)。
また、業者の高圧的な態度に断ち切れなかったという消費者の心理に付け込むようなこともあること(事例4)から、消費者契約法や特定商取引法による取消しが主張できると思われる場合もある。
しかし、消費者対応が不十分な業者が多いことから、消費者が苦情を申し出た時のみならず、消費生活センターがあっせんしようとしても、話し合いができないケースも見受けられる。
相談者が業者の高圧的な態度に恐怖を覚え、消費生活センターによるあっせんをのぞまなかったり、業者が「詰まりは直っている」などと主張し、既にサービスを提供したことを理由に対応せず、相談者が何らかの負担をせざるを得なかったケースもあり、トラブルの解決を図ることは困難な場合も多い。
消費者へのアドバイス
(1)広告に表示された価格だけで済むとは限らない
広告では、「基本料金」といった形での価格表示しかされていないことが多い。見積書
を見ると、「出張費」や「交通費」が加算されている場合や、さまざまな作業や部品の代
金が追加で発生している場合もあり、広告に表示された金額だけで済むとは限らない。
広告を見ただけで、低料金で済むと考えないこと。電話の際に、来訪だけでもお金がか
かるのか、作業はだいたいいくらになるのかなどをしっかり確認しておきたい。
(2)サービス内容や料金等が把握できる業者を選ぶ
24 時間・全国エリア対応の業者や、日中・一定地域のみ対応の業者など様々な業者が
あるが、あらかじめサービス内容や質、料金、営業時間、緊急時の対応などを把握し、
連絡できるようにしておいたほうがよい。地方公共団体では、上水道・下水道の工事に
ついて指定業者制を採用しているところが多い。指定業者になるためには一定の基準を
満たしている必要があるため、指定業者であるかどうかということも業者選びの一つの
参考になろう。但し、地方公共団体の指定業者であっても悪質な業者はいます。
指定業者名簿はあくまで参考であって、選ぶ際には十分注意して下さい。
(3)当初依頼した目的と異なることを勧められても、すぐには決めない
修理を依頼した業者から、設備を交換しなければ直らないと言われた場合であっても
すぐに契約せず、まず応急処置を求めること。目的と異なることを勧められた場合、他業者にも聞いてみるなど一旦冷静になって考えたほうがよい。例えば、トイレが詰まった場合に、便器の交換が必要となることは考えにくい。業者の説明を十分に聞き、納得した上で契約するかどうか決めたほうが良い。
(4)元栓・止水栓の場所を確認しておくなど、緊急の場合にそなえておく
水道の水漏れの際は、被害を最小限に留めるためにまず水を止める必要がある。トイレ、台所、浴場、洗濯機などの止水栓の位置をあらかじめ確認しておき、緊急の場合にも慌てず対処できるようにしておくこと。止水栓が見当たらない場合は、全体の止水栓が水道メータ付近にあるのでその位置・締め方を確認しておくこと
(5)トラブルの際は消費生活センターに相談する
業者のサービス内容や請求内容に納得できない場合には、消費生活センターへ相談すること。
情報提供先
経済産業省商務情報政策局消費経済政策課
経済産業省商務情報政策局消費経済対策課
警察庁生活安全局生活環境課経済対策室
公正取引委員会景品表示監視室
【参考資料】
器具の止水栓、および家屋の止水栓の止め方
○器具の止水栓の位置と締め方
水まわりの器具にはたいてい止水栓というバルブが付いています。(単水栓や一部の混栓には止水栓がありません)止水栓は、マイナスドライバーで、右(時計まわりにまわすと閉まり、左にまわすと開きます。(ハンドル式もあります)
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水周り器具によく見られる止水栓 |
壁付き水栓の止水栓は、器具本体と壁の間にある脚部についています。洗面台の止水栓、洗面器やカウンター下にあります。
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洗面台の止水栓の位置 |
壁付き水栓の止水栓位置と閉め方 |
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洗面台の止水栓の位置 |
ハンドル付の止水栓の例 |
○家屋の水道の元栓の位置と閉め方
器具に止水栓がついていない場合や位置がわからない場合は、家屋全体の水道の元栓で水を止めます。右(時計まわり)にまわすと閉まり、反対に左にまわすと開きます。水道メーターの近くに付いていますが、場所や形は建物の種類や新旧によって異なりますのでご注意下さい。
また、排水栓が近い場合もありますので閉め間違いのないようご注意下さい。
・戸建て住宅
宅地内の地面にあります。
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戸建て住宅の水道の元栓の位置と閉め方 |
戸建て住宅の元栓の例 |
集合住宅(アパート、マンション等)
アパートの場合は戸建て住宅と同じく敷地内の地面、マンションの場合は玄関横のパイプ
シャフト(PS)内にあるものが多く見られます。
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マンションの水道の元栓の位置と閉め方 |
マンションの止水栓の例 |
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