「業務内容と実績 目次」 > 1. 何故、第三者機関が必要か? > 【次頁】 2. 相談事例と実績

1. 何故、第三者機関が必要か?

現在の管理組合が抱える問題( Common Problems of Condo Living )

国土交通省「マンション総合調査」によれば、現在、約8割のマンションが何らかの問題を抱えています。 下記の図は平成21年4月10日発表の国交省調査資料をマンションNPOが編集したものです。

1.意識調査から

 

 「マンション総合調査」は、国交省がマンション管理の基礎的な資料を得る目的で、5年ごとに管理状況、居住者の意識等を調査しているものです。(直近の平成20年度の調査でも管理組合向けアンケート配付数4,522、回収率 47.9%と低い)


 「特にトラブルなし」と回答した管理組合も2割以上ありますが、同調査は意識調査ですから、分譲間もない築浅のマンションで問題が顕在化していない、あるいは管理会社に任せきりの場合など、主体性をどの程度認識しているかにもよります。

2.どうやって解決しているか

 問題の解決は、管理組合内部、或いは当事者間での話し合い、叉は管理を委託している管理会社に相談するなどですが、 その他の訴訟・民事調停・弁護士に相談など、いずれも当事者間における直接の解決手段の延長であり、その他の公的な、或いは第三者機関などの支援はほとんどないように見えます。

 但し、回答項目に、国交省の指定団体やその団体が認定する士業の項目はあっても、「民間の第三者機関」の項目はありませんので、それらは国交省の統計には出てきません。


委託管理会社への相談では、利益相反回避措置が担保されていませんから、相談内容にも限界があります。

3.専門家の関与

 建築士や弁護士、会計士、税理士など業務独占の資格をもつ専門家がどのように関与しているかの回答では、 相談するには敷居が高いという印象を受けますが、実は敷居が高いのではなく、適任の専門家を見つけるのが難しいという実態があります。

長期修繕計画を作成し、住みながら共有部全体を改修するという大規模修繕特有の事情に精通している建築士、非営利法人会計実務に詳しい会計士、税理士などいずれも業界の中では 特殊な分野になります。区分所有法に精通している弁護士もそれほど多くはありません。

(「マンションNPO」における相談内容の具体例は、次頁「相談事例と実績」参照)

4.マンションNPOの概要

 マンションNPOは管理組合の支援を目的とした第三者機関です。(定款第3条)

【団体名称】   特定非営利活動法人 マンション管理支援協議会 ( 略称 マンションNPO )
【設立年月日】: 2001年(平成13年)12月12日
【認証所轄庁】: 東京都 ( 2001年11月30日認証 ) 
【事業開始年月日】:2001年(平成13年)12月12日

5. 何故、第三者機関が必要か?

第三者機関とは、問題解決に必要な専門的知識と技能を有し、人的・資金的にも特定の利益団体と系列的取引をもたず、利益相反回避措置(for avoiding conflicts of interest)が担保されている組織を言います。
利益相反回避措置(りえきそうはんかいひそち)とは、二重関係(多重関係)を回避し、「第三者性」「外部性」を確保することを意味します。

管理組合内部においても、業務のつながりで既に何らかの人間関係・利害関係が構築されているような場合、既存の関係性が組合員から委託された組合業務に深く影響を及ぼす「二重関係」「多重関係」に陥ることは 信頼で成り立つ委任関係にある相手に経済的損失を与えることから、倫理的にも避けなければなりません。

正しい情報開示を行い、透明性を確保し、説明責任を果たすことを求められる管理組合の業務上、 コンサルタントを選任する場合には、利益誘導の心配がない「第三者性」「外部性」が確保されたコンサルタントを選定することが必要になってきます。


管理会社が作成する長期修繕計画が、その管理会社にとっての売上げ計画表となっているように、管理会社のビジネスモデルが利益相反で成立している事例は多く存在していますが、わが国では残念ながら、利益相反はあまり問題視されていません。 しかし、管理会社の利益相反行為は確実に管理組合の権利と利益を損なっています。

  【専門家はなぜ必要か】

6. 管理組合の技術面での代弁者として

マンションNPOが行う事業 ( 定款第5条 )

 本法人は、第3条の目的を達成するために次に掲げる事業を行う。
(1) 管理組合運営に関する相談並びに改善業務に関する事業
(2) 集合住宅を中心とした地域交流及び情報交流事業
(3) 集合住宅の診断及び改修に関する相談並びに設計、監理事業
(4) 集合住宅居住者等に対する広報・教育啓発事業
(5) 集合住宅に関わる調査研究事業
(6) 集合住宅に関わる情報提供事業
(7) その他、この法人の目的を達成するために必要な事業

マンションNPOでは、この事業目的を達成するために、弁護士、1級建築士、1級管工事技士など、マンションNPOの各分野の専門スタッフが、チームアプローチで多くの実績をあげてきました。

(注)チームアプローチとは登録業者を紹介するやりかたではなく、総合病院のようにマンションNPO自体が専門スタッフを抱え、みずからの組織で責任を果たす方法です。
相談から工事完了まで一貫してサポートを受けることが出来るメリットがあり、責任の所在もはっきりします。

企業関係者にとって見れば、NPOの建築士が住民の側の専門家として入ってきますと、素人の住民を相手にするような「ごまかし」は利きませんから、その意味では厄介な存在ですが、逆に問題を真摯に解決しようとする企業の技術力と誠意に対しては、それを専門的に評価し、円満な解決に導くことができるのも公正な第三者機関ならではの役割です。

交渉の要は全住民が団結したときの住民パワーにあります。
管理組合と二人三脚で住民間の合意形成をまとめ上げ、この住民パワーの信頼に後押しされたNPO建築士の高い技術者倫理と確かな技量、豊富な経験、知識に対して、交渉の最初では対立していた企業関係者も最後には信頼を寄せるようになり、専門家同士の話し合いの中で問題が円満解決に向かった事例も数多く経験してきました。

7. ポイントはー 信頼できる専門家選び ー

調査・診断・改修設計・施工監理を行う専門家には、高い技術者倫理と確かな技量、豊富な経験、知識を必要とします。 永年にわたって建築工事や大規模修繕を経験し、マンションの材料、工法、仕様を熟知していなければなりません。 的確な調査・診断をするためには、総合的かつ客観的に判断を下せる能力を必要とします。


 ー 信頼できる業者選びのポイント ー

(1)公正な立場で、総合的に調査・診断ができること。(実施した管理組合の意見を聞く)
(2)調査・診断の実績が豊富なこと。(実績リストを提出してもらう)
(3)適正な修繕実施計画の作成能力があること。(報告書を参考に見せてもらう)

住む人の立場に立ち、将来にわたってどんな相談にも応じられる信頼関係を築くことができるかどうかを見極めてください。

マンションNPOのこれまでの主な実績 (2002〜2014年6月)


大規模改修工事       131件
長期修繕計画作成     101件
給排水設備改修       56件
不具合調査・補修交渉    44件

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