|
●第2回目の大規模修繕は
将来を左右する第1回目の大規模修繕工事は、一般的にあまり問題点が浮き彫りになりません。建物の傷みはまだ少ないですし、給排水管などの設備工事も通常は入りません。まだ大きな修繕がないので、資金不足になることも少ないでしょう。
しかし、第2回目の工事(一般的に築22〜24年頃)となるとそうはいきません。コンクリートの中性化やそれに伴う鉄筋爆裂、鉄部の錆や腐食など、建物は相応に傷んできます。手摺や面格子などをアルミに交換するのか、塗装で延命するのか、給排水管等の設備は何をどのように改修し、専有部分給排水管はどうするかなど、建物現況と資金面を考えながら、判断しなければならなくなります。
通常、1回目の工事より、工事費用も範囲も大掛かりになります。場合によっては一時金徴収や積立金値上げなど、総会で合意しなければならないことも増えます。管理組合にとっては大事業です。しかし、2回目の工事で、どれだけの修繕と改良を加えることができたかどうかは建物の寿命に大きく係わります。また、3回目の工事を視野に入れて資金計画をしているかどうかは、その先20年、30年と、長く快適に住み続けることができるかどうかを左右するのです。
●さらに、楽しみと潤いが持てる修繕に
今回の工事では、アンケートをとった結果に基づいて、外壁の色と材質をすっかり換えています。基本色が白でアクセントにブルーが塗装してあったものを、基調色は茶系にし、1〜2階部分は天然石調で濃い茶色にしました。(改装後の全景参照)
敷地内と共用廊下の照明器具は、全て電球色蛍光灯に取り替えましたので、点灯した時に格調がある柔らかい雰囲気になりました。また、エントランスホールの段差はバリアフリーに、外構歩道はすべてインターロッキング(舗装用化粧ブロック)に、駐車場床の塗装、駐輪場の整備、敷地内角の変電室撤去、四季を考慮した植栽など、住んでいる方が再び新鮮なうれしさや快適さを感じるような修繕をすることは2回目の工事には大切なことです。
●居住者に極力負担をかけない設備工事を
地盤沈下等により埋設排水管の補修が必要になっていました。1階居室下の共用排水管の更新方法を探る中で、一般的工法(居室内床に点検口を開口し、そこから掘削・配管する方法)も試験的に試みましたが、一戸当たり1週間近くかかる上、その間、半ば引っ越し状態をお願いするような工事になり、住む人に負担がかかりすぎるので断念しました。

居住者の「外からもぐれないだろうか」というひと言がヒントになり、配管ルートを模索。建物の外側から、床下へ堀り進んで新規配管を敷設するという方法に決定しました。
新規配管を布設するために棟の外側を掘削。この方法により1階居室内には入らずに工事が可能に。
この管の先が1階床下へ続いている。
●少しでも安く、確かな工事を
少しでも安くよい工事をというのは、大事な積立金を預かる管理組合の当然の要望ですが、そのためにはまず、共通仕様書での競争見積合わせによる業者選定が必要不可欠です。
今回も業者選定には相当な時間をかけました。数社にしぼってから行うヒアリングでは、現場代理人(現場監督)になる方に質問し話をする中で、人柄や改修工事に対する力量を見極めることが重要です。他社と比較して安く、しっかりとした対応を見せた施工会社を選ぶことができました。管理組合の熱意と姿勢によるところも大きかったと思います。

見学会でポイントを説明をするマンションNPOの建築士(中央)
|