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マンションの建替え等の円滑化に関する法律施行令

(平成14年12月11日政令第367号)

最終改正:平成26年8月20日政令第283号

内閣は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(平成十四年法律第七十八号)第十四条第三項 (同法第三十四条第二項において準用する場合を含む。)、 第二十三条第四項(同法第三十二条第三項において準用する場合を含む。)、 第三十条第一項、第三十七条第三項、第四十九条第三項(同法第五十条第二項において準用する場合を含む。)、 第五十三条第二項、第七十八条第六項、第八十四条、第九十四条第一項、第九十六条第一項、第百十八条第二項、 第百二十一条第三項、第百二十三条第二項、第百二十八条及び第百二十九条の規定に基づき、この政令を制定する。

 ※(マンションNPO 解説1)法令の読み方 {制定文}

目次

第一章 マンション建替事業
 第一節 施行者
  第一款 マンション建替組合(第一条―第十四条)
  第二款 個人施行者(第十五条・第十六条)
 第二節 権利変換手続等(第十七条―第二十五条)
 第三節 雑則(第二十六条)
第二章 除却する必要のあるマンションに係る容積率の特例に係る敷地面積の規模(第二十七条)
第三章 マンション敷地売却事業
 第一節 マンション敷地売却組合(第二十八条―第三十一条)
 第二節 分配金取得手続等(第三十二条―第三十四条)
 第三節 雑則(第三十五条)
第四章 雑則(第三十六条・第三十七条)
附則

第一章 総則

   第一章 マンション建替事業
    第一節 施行者
     第一款 マンション建替組合

(事業計画の縦覧についての公告)
第一条 市町村長は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(以下「法」という。)第十一条第一項(法第三十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により事業計画を公衆の縦覧に供しようとするときは、あらかじめ、縦覧の開始の日、場所及び時間を公告しなければならない。

(施行マンションの名称等を表示する図書の縦覧)
第二条 市町村長は、法第十四条第一項(法第三十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定による図書の送付を受けたときは、直ちに、その図書を公衆の縦覧に供する旨並びに縦覧の場所及び時間を公告しなければならない。

(代表者の選任等)
第三条 法第十六条第二項の規定により一人の組合員とみなされる者は、そのうちから代表者一人を選任し、その者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)をマンション建替組合(以下この章において「組合」という。)に通知しなければならない。
2 前項の代表者の権限に加えた制限は、これをもって組合に対抗することができない。
3 第一項の代表者の解任は、組合にその旨を通知するまでは、これをもって組合に対抗することができない。

(解任請求代表者証明書の交付)
第四条 法第二十三条第一項(法第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定により組合の理事若しくは監事又は総代の解任を請求しようとする組合員の代表者(以下「解任請求代表者」という。)は、次に掲げる事項を記載した解任請求書を添え、当該組合に対し、文書をもって解任請求代表者証明書の交付を請求しなければならない。
 一 その解任を請求しようとする理事若しくは監事又は総代の氏名
 二 解任の請求の理由
 三 解任請求代表者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
2 前項の請求があったときは、当該組合は、解任請求代表者が組合員名簿に記載された組合員であることを確認した上、直ちに、これに解任請求代表者証明書を交付し、かつ、当該確認の日の翌日にその旨を公告するとともに、当該組合の主たる事務所の所在地の市町村長に通知しなければならない。
3 組合は、前項の規定による公告の際、併せて組合員(当該公告の日の前日現在における組合員名簿に記載された者をいう。次条第一項において同じ。)の三分の一の数を公告しなければならない。
4 市町村長は、第二項の規定による通知があったときは、直ちに、次条第一項の規定による署名の収集の際に立ち会わせるためその職員のうちから立会人を指名し、これを解任請求代表者及び組合に通知しなければならない。

(署名の収集)
第五条 解任請求代表者は、あらかじめ、署名の場所及び前条第二項の公告があった日から二週間を超えない範囲内において日時を定めて、署名簿に解任請求書又はその写し及び解任請求代表者証明書又はその写しを添え、組合員に対し、署名簿に署名及び押印をすることを求めなければならない。
2 解任請求代表者は、前項の場所及び日時を定めたときは、当該署名の日の初日の少なくとも二日前に署名立会人(前条第四項の規定により指名された立会人をいう。以下同じ。)に通知しなければならない。
3 署名をしようとする者は、組合員名簿(前条第三項に規定する組合員名簿をいう。次項において同じ。)に記載された者であるかどうかについて署名立会人の確認を受けた上、署名簿に署名及び押印をするものとする。
4 前項の場合において、署名をしようとする者が法人であるときは、その指定する者が署名及び押印をし、かつ、当該法人が組合員名簿に記載された者であるかどうか並びに当該署名及び押印をする者が当該法人の指定する者であるかどうかについて署名立会人の確認を受けるものとする。

(解任請求書の提出)
第六条 解任請求代表者は、署名簿に署名及び押印をした者の数が第四条第三項の規定により公告された数以上の数となったときは、当該署名の日の末日から五日以内に、署名立会人の証明を経た署名簿を添えて、解任請求書を組合に提出しなければならない。
2 前項の署名立会人の証明は、署名簿の末尾にその旨を記載した上、署名及び押印をすることによって行うものとする。

(解任の投票)
第七条 法第二十三条第二項(法第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定による組合の理事若しくは監事又は総代の解任の投票(以下この節(第十二条を除く。)において単に「解任の投票」という。)は、前条第一項の規定による解任請求書の提出があった日から二週間以内に行わなければならない。
2 前項の場合において、組合は、解任の投票の場所及び日時を定め、これらの事項を、その解任を請求された理事若しくは監事又は総代の氏名及び解任の請求の理由の要旨とともに、解任の投票の日の少なくとも五日前に公告しなければならない。
3 組合は、前項の公告をしたときは、直ちに、組合員(当該公告の日現在における組合員名簿に記載された者をいう。次項、次条第一項から第三項まで、第六項及び第十一項並びに第十一条第一項において同じ。)のうちから本人の承諾を得て、解任の投票の立会人一人を選任しなければならない。
4 解任請求代表者は、第二項の公告があったときは、直ちに、組合員のうちから本人の承諾を得て、解任の投票の立会人一人を組合に届け出なければならない。

(投票)
第八条 解任の投票における投票は、組合員が投票用紙に解任に対する同意又は不同意の旨を記載してするものとする。
2 組合員が法人であるときは、その指定する者が投票をするものとする。
3 組合員(法人を除く。以下この項において同じ。)は、代理人により投票をすることができる。この場合において、代理人は、同時に五人以上の組合員を代理することができない。
4 前二項の場合において、法人の指定する者又は代理人は、それぞれ投票の際その権限を証する書面を組合に提出しなければならない。
5 投票は、一人一票とし、無記名により行う。
6 投票用紙は、解任の投票の当日、解任の投票の場所において組合員に交付するものとする。
7 組合員名簿(前条第三項に規定する組合員名簿をいう。以下この項において同じ。)に記載されていない者及び組合員名簿に記載された者であっても解任の投票の当日組合員でない者は、投票をすることができない。
8 投票をしようとする者が明らかに本人でないと認められるときは、理事長は、その投票を拒否しなければならない。
9 前二項の場合において、理事長が投票を拒否しようとするときは、あらかじめ、投票立会人(前条第三項の規定により選任された立会人及び同条第四項の規定により届け出られた立会人をいう。以下同じ。)の意見を聴かなければならない。
10  理事長は、投票立会人の立会いの下に投票を点検し、同意又は不同意の別に有効投票数を計算しなければならない。
11 前項の場合においては、理事長は、投票立会人の意見を聴いて投票の効力を決定するものとする。その決定に当たっては、次項の規定により無効とされるものを除き、その投票をした組合員の意思が明らかであれば、その投票を有効とするようにしなければならない。
12 次の各号のいずれかに該当する投票は、無効とする。
 一 所定の投票用紙を用いないもの
 二 同意又は不同意の旨以外の事項を記載したもの
 三 同意又は不同意の旨の記載のないもの
 四 同意又は不同意の旨を確認することが困難なもの

(解任の投票の結果の公告)
第九条 組合は、解任の投票の結果が判明したときは、直ちに、これを公告しなければならない。
2 組合の理事若しくは監事又は総代は、解任の投票において過半数の同意があったときは、前項の公告があった日にその地位を失う。

(解任投票録)
第十条 理事長は、解任投票録を作り、解任の投票に関する次第を記載し、投票立会人とともに、これに署名しなければならない。
2 解任投票録は、組合において、その解任を請求された理事若しくは監事又は総代の任期中保存しなければならない。

(解任の投票又は解任の投票の結果の効力に関する異議の申出)
第十一条 組合員は、解任の投票又は解任の投票の結果の効力に関し異議があるときは、第九条第一項の公告があった日から二週間以内に、組合に対し、文書をもって異議を申し出ることができる。
2 組合は、前項の異議の申出を受けたときは、その申出を受けた日から二週間以内に、異議に対する決定をしなければならない。この場合において、当該決定は、文書によって行い、理由を付して申出人に交付するとともに、その要旨を公告しなければならない。
3 組合は、第一項の規定による異議の申出があった場合において、解任の投票に関する規定に違反することがあるときは、投票の結果に異動を及ぼすおそれがある場合に限り、その解任の投票の全部又は一部の無効を決定しなければならない。

(解任請求の禁止期間)
第十二条 法第二十三条第一項(法第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定による組合の理事若しくは監事又は総代の解任の請求は、その就任の日から六月間及び法第二十三条第二項(法第三十二条第三項において準用する場合を含む。)又は法第九十八条第六項の規定によるその解任の投票の日から六月間は、することができない。

(定款又は事業計画の変更に関する特別議決事項)
第十三条 定款の変更のうち法第三十条第一項の政令で定める重要な事項は、次に掲げるものとする。
 一 施行マンションの変更
 二 参加組合員に関する事項の変更
 三 事業に要する経費の分担に関する事項の変更
 四 総代会の新設又は廃止
2 事業計画の変更のうち法第三十条第一項の政令で定める重要な事項は、施行再建マンションの敷地の区域の変更とする。

(組合に置かれる審査委員)
第十四条 次に掲げる者は、組合に置かれる審査委員となることができない。
 一 破産者で復権を得ないもの
 二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
2 審査委員は、前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、その職を失う。
3 組合は、審査委員が次の各号のいずれかに該当するときその他審査委員たるに適しないと認めるときは、総会の議決を経て、その審査委員を解任することができる。
 一 心身の故障のため職務の執行に堪えられないと認められるとき。
 二 職務上の義務違反があるとき。

     第二款 個人施行者

(施行マンションの名称等を表示する図書の縦覧)
第十五条 第二条の規定は、市町村長が法第四十九条第一項(法第五十条第二項において準用する場合を含む。)の規定による図書の送付を受けたときについて準用する。

(個人施行者の選任する審査委員)
第十六条 第十四条の規定は、個人施行者が選任する審査委員について準用する。この場合において、同条第三項中「総会の議決を経て」とあるのは、「都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の承認を受けて」と読み替えるものとする。

    第二節 権利変換手続等

(差押えがある場合の通知)
第十七条 施行者は、強制執行、担保権の実行としての競売(その例による競売を含む。)又は滞納処分(国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)による滞納処分及びその例による滞納処分をいう。)による差押えがされている施行マンションの区分所有権若しくは敷地利用権(既登記のものに限る。第三項において同じ。)又は隣接施行敷地の所有権若しくは借地権(既登記のものに限る。同項において同じ。)について権利変換手続開始の登記がされたときは、遅滞なく、その旨を当該差押えに係る配当手続を実施すべき機関(以下「配当機関」という。)に通知しなければならない。
2 施行者は、権利変換計画若しくはその変更の認可を受けたとき、又は権利変換計画について法第六十六条の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、前項の差押えに係る権利についての関係事項を同項の差押えに係る配当機関に通知しなければならない。
3 第一項の差押えに係る施行マンションの区分所有権若しくは敷地利用権又は隣接施行敷地の所有権若しくは借地権について権利変換手続開始の登記が抹消されたときは、施行者(組合にあっては、その清算人)は、遅滞なく、その旨を同項の差押えに係る配当機関に通知しなければならない。

(補償金の受領の効果)
第十八条 国税徴収法第百十六条第二項の規定は、法第七十八条第一項の規定により裁判所以外の配当機関が補償金を受領した場合について準用する。

(債権額の確認方法等)
第十九条 法第七十八条第一項の規定により裁判所以外の配当機関に補償金が払い渡された場合においては、国税徴収法第百三十条第一項中「売却決定の日の前日まで」とあるのは「税務署長が指定した日まで」と、同条第三項中「売却決定の時まで」とあるのは「マンションの建替え等の円滑化に関する法律施行令(平成十四年政令第三百六十七号)第十九条第一項の規定により読み替えられた第一項の規定により税務署長が指定した日まで」と、同法第百三十一条中「換価財産の買受代金の納付の日から」とあるのは「マンションの建替え等の円滑化に関する法律施行令第十九条第一項の規定により読み替えられた前条第一項の規定により指定した日から」とする。
2 前項の規定により読み替えられた国税徴収法第百三十条第一項の規定又はその例により日を指定するときは、同法第九十五条第二項及び第九十六条第二項の規定の例により、公告及び催告をしなければならない。

(保全差押え等に係る補償金の取扱い)
第二十条 裁判所以外の配当機関は、国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第三十八条第三項、国税徴収法第百五十九条第一項又は地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第十六条の四第一項の規定による差押えに基づき法第七十八条第一項の規定による補償金の払渡しを受けたときは、当該金銭を配当機関の所在地の供託所に供託するものとする。

(仮差押えの執行に係る権利に対する補償金の払渡し)
第二十一条 法第七十八条第四項において準用する同条第一項の規定により仮差押えの執行に係る権利について補償金を払い渡すべき機関は、当該権利の強制執行について管轄権を有する裁判所とする。

(施行再建マンションの区分所有権等の価額等の確定)
第二十二条 法第八十四条の規定により確定する施行再建マンションの区分所有権の価額は、同条の規定により確定した費用の額を当該区分所有権に係る施行再建マンションの専有部分の床面積等に応じて国土交通省令で定めるところにより按分した額(以下この項において「費用の按分額」という。)を償い、かつ、法第六十二条に規定する三十日の期間を経過した日(次項において「基準日」という。)における近傍同種の建築物の区分所有権の取引価格等を参酌して定めた当該区分所有権の価額の見込額(以下この項において「市場価額」という。)
を超えない範囲内の額とする。この場合において、費用の按分額が市場価額を超えるときは、市場価額をもって当該区分所有権の価額とする。
2 法第八十四条の規定により確定する施行再建マンションの敷地利用権の価額は、基準日における近傍類似の土地に関する同種の権利の取引価格等を参酌して定めた当該敷地利用権の価額の見込額とする。
3 法第八十四条の規定により確定する施行再建マンションの部分の家賃の額は、法第五十八条第一項第九号の標準家賃の概算額に、国土交通省令で定めるところにより、当該施行再建マンションの部分に借家権を与えられることとなる者が従前施行マンションについて有していた借家権の価額を考慮して、必要な補正を行った額とする。

(管理規約の縦覧等)
第二十三条 施行者は、法第九十四条第一項又は第三項の規定により管理規約を定めようとするときは、当該管理規約を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。この場合においては、あらかじめ、縦覧の開始の日、場所及び時間を公告するとともに、施行再建マンションの区分所有権を有する者又は有することとなる者にこれらの事項を通知しなければならない。
2 施行再建マンションの区分所有権を有する者又は有することとなる者は、縦覧期間内に、管理規約について施行者に意見書を提出することができる。
第二十四条 施行者は、法第九十四条第一項又は第三項の認可を申請しようとするときは、前条第二項の規定により提出された意見書の要旨を都道府県知事

(市の区域内にあっては、当該市の長)に提出しなければならない。

(書類の送付に代わる公告)
第二十五条 法第九十六条第一項の規定による公告は、官報、公報その他国土交通省令で定める定期刊行物に掲載し、かつ、施行マンションの敷地又は隣接施行敷地(法第八十一条の建築工事の完了の公告の日以後にあっては、施行再建マンションの敷地。次項において同じ。)の区域内の適当な場所に掲示して行わなければならない。
2 前項の場合においては、施行マンションの敷地又は隣接施行敷地の所在地の市町村長及び書類の送付を受けるべき者の住所又はその者の最後の住所の所在地の市町村長は、同項の掲示がされている旨の公告をしなければならない。この場合において、施行者は、市町村長に当該市町村長が行うべき公告の内容を通知しなければならない。
3 第一項の掲示は、前項の規定により市町村長が行う公告のあった日から十日間しなければならない。
4 法第九十六条第二項の公告の日は、前項の規定により行う掲示の期間の満了日とする。

    第三節 雑則

(都道府県知事等の行う解任の投票)
第二十六条 法第九十八条第六項の規定による組合の理事若しくは監事又は総代の解任の投票は、同項に規定する組合員の申出があった日から二週間以内に行わなければならない。
2 第七条第二項から第四項まで及び第八条から第十一条までの規定は、前項の解任の投票について準用する。この場合において、第七条第二項中「前項」とあるのは「第二十六条第一項」と、「組合」とあるのは「都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)」と、同条第三項中「組合は」とあるのは「都道府県知事等は」と、同条第四項及び第十一条第一項中「組合に」とあるのは「都道府県知事等に」と、第八条第四項、第九条第一項、第十条第二項並びに第十一条第二項及び第三項中「組合」とあるのは「都道府県知事等」と、第八条第八項から第十一項までの規定及び第十条第一項中「理事長」とあるのは「都道府県知事等が指名するその職員」と読み替えるものとする。

   第二章 除却する必要のあるマンションに係る容積率の特例に係る敷地面積の規模

第二十七条 法第百五条第一項の政令で定める規模は、次の表の上欄に掲げる地域又は区域の区分に応じて、それぞれ同表の下欄に定める数値とする。

地域又は区域敷地面積の規模 (単位 平方メートル)
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号に掲げる第一種低層住居専用地域若しくは第二種低層住居専用地域又は同号に規定する用途地域の指定のない区域 一、〇〇〇
都市計画法第八条第一項第一号に掲げる第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域 五〇〇
都市計画法第八条第一項第一号に掲げる近隣商業地域又は商業地域 三〇〇

 

   第三章 マンション敷地売却事業

    第一節 マンション敷地売却組合

(代表者の選任等)
第二十八条 法第百二十五条第二項の規定により一人の組合員とみなされる者は、そのうちから代表者一人を選任し、その者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)をマンション敷地売却組合(以下この章において「組合」という。)に通知しなければならない。
2 前項の代表者の権限に加えた制限は、これをもって組合に対抗することができない。
3 第一項の代表者の解任は、組合にその旨を通知するまでは、これをもって組合に対抗することができない。

(組合の役員等の解任請求)
第二十九条 第四条から第十二条までの規定は、法第百二十六条第三項及び第百三十二条第三項において準用する法第二十三条の規定による組合の理事若しくは監事又は総代の解任請求について準用する。この場合において、第十二条中「法第二十三条第二項(法第三十二条第三項において準用する場合を含む。)又は法第九十八条第六項」とあるのは、「法第百二十六条第三項若しくは第百三十二条第三項において準用する法第二十三条第二項又は法第百六十一条第六項」と読み替えるものとする。

(定款の変更に関する特別議決事項)
第三十条 法第百三十条の政令で定める重要な事項は、次に掲げるものとする。
 一 事業に要する経費の分担に関する事項の変更
 二 総代会の新設又は廃止

(組合に置かれる審査委員)
第三十一条 第十四条の規定は、組合に置かれる審査委員について準用する。

    第二節 分配金取得手続等

(政令で定める損失の額)
第三十二条 法第百四十三条第三項の政令で定める額は、移転料、営業上の損失その他国土交通省令で定める損失について、国土交通省令で定めるところにより計算した額とする。

(差押えがある場合の通知等)
第三十三条 第十七条の規定は、売却マンションの区分所有権又は敷地利用権(既登記のものに限る。)に差押えがある場合について準用する。この場合において、同条第一項中「施行者」とあるのは「法第百十六条に規定する組合(以下単に「組合」という。)」と、同項及び同条第三項中「権利変換手続開始の登記」とあるのは「分配金取得手続開始の登記」と、同条第二項中「施行者」とあるのは「組合」と、「権利変換計画」とあるのは「分配金取得計画」と、「法第六十六条」とあるのは「法第百四十五条」と、同条第三項中「施行者(組合にあっては、その清算人)」とあるのは「組合の精算人」と読み替えるものとする。
2 第十八条から第二十一条までの規定は、法第百五十二条及び第百五十四条において準用する法第七十八条第一項又は第四項の規定による分配金又は補償金の払渡し及びその払渡しがあった場合における滞納処分について準用する。この場合において、第十九条第一項中「第十九条第一項」とあるのは、「第三十三条第二項において準用する同令第十九条第一項」と読み替えるものとする。

(書類の送付に代わる公告)
第三十四条 法第百五十九条第一項の公告は、官報、公報その他国土交通省令で定める定期刊行物に掲載し、かつ、売却マンションの敷地の区域内の適当な場所に掲示して行わなければならない。
2 第二十五条第二項から第四項までの規定は、前項の公告について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、及び同条第三項中「第一項」とあるのは「第三十四条第一項」と、同条第二項中「施行マンションの敷地又は隣接施行敷地」とあるのは「売却マンションの敷地」と、「施行者」とあるのは「法第百十六条に規定する組合」と、同条第四項中「法第九十六条第二項」とあるのは「法第百五十九条第二項」と読み替えるものとする。

    第三節 雑則

(都道府県知事等の行う解任の投票)
第三十五条 第二十六条の規定は、法第百六十一条第六項の規定による組合の理事若しくは監事又は総代の解任の投票について準用する。この場合において、第二十六条第二項中「第二十六条第一項」とあるのは、「第三十五条において準用する第二十六条第一項」と読み替えるものとする。

   第四章 雑則

(事務の区分)
第三十六条 第一条、第二条(第十五条において準用する場合を含む。)、第四条第四項(第二十九条において準用する場合を含む。)及び第二十五条第二項(第三十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第二号に規定する第二号法定受託事務とする。

(国土交通省令への委任)
第三十七条 法及びこの政令に定めるもののほか、法及びこの政令の実施のため必要な手続その他の事項は、国土交通省令で定める。

附 則 抄
(施行期日)
第一条 この政令は、法の施行の日(平成十四年十二月十八日)から施行する。
附 則(平成一五年五月二一日政令第二二九号)
この政令は、建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成十五年六月一日)から施行する。
附 則(平成二三年一一月二八日政令第三六三号)抄
(施行期日)
第一条 この政令は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(平成二十三年十一月三十日)から施行する。
ただし、第一条、第三条、第四条、第五条(道路整備特別措置法施行令第十五条第一項及び第十八条の改正規定を除く。)、第六条、第九条、第十一条、第十二条、第十三条(都市再開発法施行令第四十九条の改正規定を除く。)、第十四条、第十五条、第十八条、第十九条(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律施行令第五十九条の改正規定に限る。)、第二十条から第二十二条まで、第二十三条(景観法施行令第六条第一号の改正規定に限る。)、第二十五条及び第二十七条の規定並びに次条及び附則第三条の規定は、平成二十四年四月一日から施行する。
附 則 (平成二六年八月二〇日政令第二八三号)抄
(施行期日)
1 この政令は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成二十六年十二月二十四日)から施行する。

付録「マンションNPOの解説」

(この解説項はマンションNPOで注記したものです。)

(解説1) 法令の読み方 {制定文}
○ この法律のように政令の題名の次に置かれる当該政令を制定するについての根拠を明らかにするための文章 及び既存の法律の全部改正法の題名の次に置かれる既存の法律の全部を改正するものである旨を明らかにする文章のことを「制定文」といいます。
この制定文は、いずれも当該法令の一部を成すものとされています。

なお、題名の次に置かれる文章の中には、憲法、教育基本法等に見られるように、 その法律の基本的な理念、理想等を述べたものがあります。これらは通常「前文」と呼ばれますが、それが主として当該法律の趣旨を述べたものであるところから 「制定文」と呼ばれることもあります。

○ 政令は、法律の規定を実施するため、又は法律の委任に基づいて制定されるものであり、当該政令が、いかなる法律のいかなる条項の規定に基づき、 又はいかなる法律を実施するためのものであるかなど、その政令の制定の根拠を明らかにするために制定文が置かれます。

(解説2) 法令の読み方(法制執務) {条}ー{項}ー{号}
○ 法令は章 ー 節の下に条で区分されている。(第○章 第○節 第○条)
○ 条の中で別行で区分される段落を「項」という。第二項以下の項には算用数字(アラビア数字)で2、3、4、・・・の項番号がつけられる。 条の中の第1項は項番号がなくてもそれが第1項であることが明らかなので、殊更、項番号はつけていない。
・項番号がつけられるようになったのは昭和23年ごろからで、それ以前の法令には項番号はついていない。
・法令集の中には@、A、Bの形で項番号がつけられているものがあるが、これは法令の編集者が検索、引用の便をはかるため、便宜、つけたもので、正式の項番号ではない。
○ 条または項の中で、幾つかの事項を列記する必要のある場合、一、二、三と漢数字を用いて列記する、これを号という。 号の中を更に細分する場合は、まず、「イ、ロ、ハ、・・」を用い、更に細分する場合は 「(1)、(2)、(3)、・・」を用い、更に細分する場合は()()()を用いる。
○ 号の中の字句が名詞形で終わる場合、原則として句点をつけない。最後の字句が「こと」又は「とき」で終わる場合と、名詞形でいったん切れる字句のあとに、ただし書きの文章が続く場合は区点をつける。 名詞形で終わらない場合は常に句点をつける。

(ポイント) アラビア数字の2、3、・・は項番号、漢数字の一、二、三、・・は号番号