マンションNPOホーム管理組合会計(目次)

管理組合会計

7.1 仕訳と元帳

取引を分類整理

郵便局では、はがきや手紙などを行き先別に分ける操作を仕訳といっています。
会計でも同様に、日々発生するたくさんの取引を分類整理するという仕訳が必要になります。

会計では、まず取引が発生すると複式簿記のルールに従って、取引を借方、貸方の2面に分解します。 たとえば、「事務用品1、050円を現金で購入した」という取引は、複式簿記では、(借方)事務費 1、050円、(貸方)現金1、050円、 と仕訳されます。(本文最後の仕訳帳を参照してください)
なぜ 事務費 という勘定科目が借方にきて、 現金 という科目が貸方にくるかを説明しましょう。

勘定(Account::略してa/c)とは、帳簿上に設けられた計算単位のことで、性質に応じて名称がつけられたものを 勘定科目(Item)と呼びます。
勘定は左の「借方」と呼ばれる部分と右側の「貸方」と呼ばれる部分との二つに分解されます。
複式簿記は14世紀中頃からイタリーの商人によってはじめられたものです。 当時の主観主義の立場で、すべての取引を人間相互間の取引として相手方を記帳すれば足りた時代でした。 相手方に対して債権が発生したとき、相手方(即ち債務者)の立場から見て「借り」となるから「借方」とし、 反対に貸方は、当方に対して「貸し」ている者(即ち債権者)のことを意味したのです。 取引をすべて人格化する方法はその後の経済社会で意味がなくなり、「借方」「貸方」の用語は現代社会では 単なるひとつの符号にすぎなくなっています。

クレジットカードとデビットカード
ちなみに英語では貸方(Credit)と、借方(Debit)と呼びます。つまりクレジットカードとデビットカードを直訳すると それぞれ貸方カードと借方カードになるのです。利用者の立場では、現金後払いで商品を先にもらうのは即ち「借りる方」のはずです。 それなのになぜクレジット(貸方)なのでしょう?。逆にデビットカードは商品購入と同時に購入者の預金通帳から瞬時に代金が引き落とされ、後日、カード会社から売主に代金が振り込まれます。これが何故借りる方なのでしょう?
それは、企業(カード会社)の立場で見るからです。

勘定科目には資産科目、負債科目、費用科目があります。これらの科目を借方、貸方に振り分けるとき、図に示すようなルールで処理していきます。「事務用品1、050円を現金で購入した」という取引は、事務費という費用が発生したので借方に、そして、現金という資産が減少したので貸方に仕訳したわけです。図のとおり、どんな取引でもこの組合せのなかで仕訳されることになります。

仕訳のルール

元帳の使い分け

次に帳簿ですが、これには仕訳帳、総勘定元帳、補助元帳があります。これらはすべて取引を整然と記録、計算するためのものです。

仕訳帳は、取引を借方、貸方に振り分けた仕訳の内容を、取引の発生順に記録するものです。

総勘定元帳は、勘定別に分類されており、仕訳帳から取引内容を転記して、勘定別の取引を記録する帳簿です。補助元帳は、取引内容をもっと細かく知るために、必要に応じて設けられるものです。

{会計ノート}

造幣博物館展示室(東京都豊島区東池袋4-42-1)に明治3年(1870年)の仕訳帳が展示されていますが、上の図に示す現在の仕訳帳と同じ様式で書かれています。
つまり、仕訳帳は日本で複式簿記が採用された135年前から同じ様式で今日まで受け継がれているということですね。ちなみに、この洋式出納簿(仕訳帳)の作成を指導したのは造幣局採用の「お雇外人」ポルトガル人、V.E.ブラガで、その後大蔵省に転じ、明治8年から11年まで「簿記計算取調方」に任用されています

(2004年10月9日開催の「造幣東京フェア2004」にて記)


| 1 | 1.1 | 1.2 | 1.3 | 2 3 |  4 | 5 | 5.1 | 6.1 | 6.2 | 7.1 | 7.2.1 | 7.2.2 | 7.3 | 7.48.1 | 8.2 |


著作権について プライバシーポリシー マンションNPO
© 2002-2004 - 特定非営利活動法人 マンション管理支援協議会