|
平成4年11月
マンション管理会社の(株)榮高が破産宣告を受け、この榮高が管理をしていたマンションの積立金に当たる定期預金が銀行の担保に取られたため、管理組合側が提訴したものの、一審判決では全て銀行側が勝訴し、マンション側の主張はことごとく棄却されました。
榮高が管理していた32のマンションのうち、14のマンションは、管理のすべてを管理会社の榮高に任せっきりで区分所有法上に定められた管理者も榮高が行っていました。これに対し他の18のマンションは、榮高の経営の行き詰まりを知った後、すぐに定期預金証書や、預金に見合う現金の返還を受けています。管理会社を管理者としていた管理組合の区分所有者は榮高が破産手続きに入って初めて事実関係を知りますが、すでにその定期預金の全ては管財人の管理下におかれ、しかもその多くは預金担保の設定がなされていて相殺され、戻ってはきませんでした。
銀行に預けていた預金の返還を求めて提訴した一審判決では「預金は管理組合の名義にはなっているが、その管理方法は全て管理会社に一任され、預金証書、銀行届出印鑑も榮高が管理し、管理費等の出納だけでなくその保管をも併せて一括して榮高に委託する契約であるから、占有者が即所有者であり、本件預金は榮高に帰属する。従って銀行の相殺は認められる」というものでした。
平成11年8月
マンション管理費等積立金事件控訴審判決 (東京高裁.11.8.31判決)で、ようやく管理組合の主張が認められることになります。
この勝訴の原因となったのが、実はこの管理会社はきちんと財産の分別管理を行っていて、マンションごとに専門の預金口座があり、該当口座でそのマンション以外の入出金がなく、その資金で定期預金が作られ、かつ会社とマンションとの資金・財産が明確に分離され管理されていたということが裁判所でもようやく認められることになったようです。
管理会社の倒産から、この控訴審判決を得るまで実に7年もかかっています。
|