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建物に設置された鋼製建具、木製建具、畳敷物及びユニットバス等は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一の「建物」に該当するとした事例
国税不服審判所裁決事例集 No.39 - 201頁
減価償却資産の耐用年数に関する省令別表第一にいう「器具及び備品」は、建物とは構造上独立・可分のものであり、かつ、機能上建物の用途及び使用の状況に即した建物本来の効用を維持する目的以外の固有の目的により設置されたものであることを要するものと解するのが相当である。本件建具等のうち、鋼製建具、木製建具、硝子工事及び畳敷物は、建物と構造上独立・可分のものとは認められないから、「器具及び備品」に該当しないことは明らかであり、また、ユニットバスについては、建物内の浴室と予定され、給湯及び給排水設備が施工された場所に、浴室ユニット部材を結合させて一個の浴室を形成しているもので、本件建物の部屋の一つであるから「器具及び備品」に該当しないことは明らかである。
(国税不服審判所 平成2年1月30日裁決)
〔資本的支出と修繕費等〕(資本的支出の例示)
業務の用に供されている固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となるのであるから、例えば、次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。(国税庁法令解釈通達文書番号昭57直所3−1追加)
(1) 建物の避難階段の取付け等物理的に付加した部分に係る金額
(2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した金額
(3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した金額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる金額を超える部分の金額
(注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。
(例) エレベーター補修工事の資産計上について
エレベーターの維持管理や原状回復のために要したと認められる補修工事代金は、修繕費として損金算入が認められますが、その補修工事が、エレベーターの使用可能期間を延長させたり、エレベーターの価値を増加させる効果がある場合は修繕費とはならず、資本的支出となります。
(1) エレベーターに対して平成19年4月1日以後に資本的支出を行った場合は、その資本的支出の金額を固有の取得価額として、エレベーター本体と同じ耐用年数を有する減価償却資産を新たに取得したものとして償却を開始するのが原則です。ただし、次のような特例があります。
(2)特例
平成19年3月31日以前に新設したエレベーターに対して平成19年4月1日以後に資本的支出を行った場合は、従来どおり、その資本的支出の金額をエレベーター本体の取得価額に加算して償却を行う方法も認められます。この方法による場合には、エレベーター本体の耐用年数及び償却方法に基づいて、加算を行った資本的支出部分を含めた減価償却資産全体の償却を行うことになります。
修繕費とならないものの判定
[平成21年4月1日現在法令等]
固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額は、修繕費として支出した時に損金算入が認められます。
ただし、その修理、改良等が固定資産の使用可能期間を延長させ、又は価値を増加させるものである場合は、その延長及び増加させる部分に対応する金額は、修繕費とはならず、資本的支出となります。
修繕費になるかどうかの判定は修繕費、改良費などの名目によって判断するのではなく、その実質によって判定します。
例えば、次のような支出は原則として修繕費にはならず資本的支出となります。
(1) 建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額
(2) 用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額
(3) 機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額のうち通常の取替えの金額を超える部分の金額
ただし、一つの修理や改良などの金額が20万円未満の場合又はおおむね3年以内の期間を周期として行われる修理、改良などである場合は、その支出した金額を修繕費とすることができます。
次に、一つの修理、改良などの金額のうちに、修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでない金額がある場合には、次の基準によりその区分を行うことができます。
(1) その支出した金額が60万円未満のとき又はその支出した金額がその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額のおおむね10%相当額以下であるときは修繕費とすることができます。
(2) 法人が継続してその支出した金額の30%相当額とその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出としているときは、その処理が認められます。
また、災害により被害を受けた固定資産(被災資産)について支出した費用については、次により資本的支出と修繕費の区分をします。
(1)被災資産につきその原状を回復するために支出した費用は修繕費とします。
(2)被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止などのために支出した費用については、法人が修繕費とする経理を行っている場合はその処理が認められます。
(3)被災資産について支出した費用(上記(1)及び(2)の費用は除きます。)の金額のうち、修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでないものがある場合には、法人がその金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出としているときは、その処理が認められます。
ただし、被災資産の復旧に代えて資産を取得したり、貯水池などの特別の施設を設置したりする場合は、新たな資産の取得になりますので、修繕費としての処理は認められません。(法令132、法基通7−8−1〜6)
【改正】 (形式基準による修繕費の判定)
一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。
(1) その金額が60万円に満たない場合
(2) その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合
(注)前事業年度前の各事業年度(それらの事業年度のうち連結事業年度に該当するものがある場合には、当該連結事業年度)において、令第55条第4項《資本的支出の取得価額の特例》の規定の適用を受けた場合における当該固定資産の取得価額とは、同項に規定する一の減価償却資産の取得価額をいうのではなく、同項に規定する旧減価償却資産の取得価額と追加償却資産の取得価額との合計額をいうことに留意する。
固定資産には、当該固定資産についてした資本的支出が含まれるのであるから、当該資本的支出が同条第5項の規定の適用を受けた場合であっても、当該固定資産に係る追加償却資産の取得価額は当該固定資産の取得価額に含まれることに留意する。
※下線部分が改正部分である。
【解説】 1 本通達においては、一の修理、改良等のために要した費用の額のうち資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでないものについて、一種の簡便法として、その費用の額が少額であるもの又はその資産に対する費用の額の割合が小さいものは形式基準により修繕費として損金経理をすることを認めている。
2 ところで、平成19年度の税制改正により、資本的支出については、原則として、その資本的支出の金額を取得価額とし、その有する減価償却資産本体(以下「旧減価償却資産」という。)と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産(以下「追加償却資産」という。)を新たに取得したものとすることとされている(令55)。また、そのいずれの資産もその償却の方法として定率法を採用している場合には、その資本的支出の行われた事業年度の翌事業年度開始の時において、その開始の時における旧減価償却資産の帳簿価額と追加償却資産の帳簿価額の合計額を取得価額とする一の減価償却資産を、新たに取得したものとすることができることとされている(令55)。
このように一の減価償却資産を新たに取得したものとされた場合において、その後において支出した費用の額が資本的支出であるか修繕費であるか明らかでないときに、本通達の(2)の「固定資産の前期末における取得価額」とは、旧減価償却資産と追加償却資産を合算して新たに取得したものとした一の減価償却資産の付け替え後の取得価額をいうのか、旧減価償却資産の取得価額と追加償却資産の取得価額との合計額をいうのか疑問が生じる。
この点、本通達は、資本的支出であるか修繕費であるか明らかでない費用の額について、簡便的な判定方法を明らかにしているものにすぎないことから、平成19年度の税制改正による資本的支出の金額に係る取得価額の改正にかかわらず、その判定方法における「固定資産の前期末における取得価額」がその有する固定資産全体の取得価額であるという考え方は従来どおりで変わるものではない。
3 したがって、法人税法施行令第55条第4項《資本的支出の取得価額の特例》の規定を適用している場合における「固定資産の前期末における取得価額」とは、新たに取得したものとされた一の減価償却資産の取得価額をいうのではなく、旧減価償却資産の取得価額と追加償却資産の取得価額との合計額となる。本通達の注1ではこのことを明らかにしている。
4 また、平成19年度の税制改正により、同一事業年度内に複数の追加償却資産を取得した場合で、それらの追加償却資産について定率法を採用しており、かつ、同項の規定の適用を受けないときには、それらの追加償却資産のうち種類及び耐用年数を同じくするものについて、追加償却資産を取得した事業年度の翌事業年度開始の時における帳簿価額の合計額を取得価額とする一の減価償却資産を、新たに取得したものとすることができることとされた(令55)。
この方法によった場合、追加償却資産の取得価額と旧減価償却資産の取得価額とを合算していないからといって、追加償却資産の取得価額をこの判定方法の「固定資産の前期末の取得価額」から除くことは相当ではなく、また、当該追加償却資産は旧減価償却資産と物理的に一体であるから、合算していない追加償却資産の取得価額も形式基準の算式上の「固定資産の前期末における取得価額」に含まれるのである。本通達の注2ではこのことを明らかにしている。
5 連結納税制度においても同様の通達(連基通6−8−4)を定めており、同様の改正を行っている
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