あごが外れた国家予算
税収と歳出の乖離が拡がっていくことを財務省では「ワニの口」と表現していましたが、平成21年度の自民党内閣における選挙対策でのバラマキ政策によって、ついにワニのあごが外れてしまいました。
2010年(平成22年)3月24日予算成立後の4月1日、仙谷国家戦略相は放送番組収録で、2010年度予算の国債発行額が過去最大の44兆3030億円と、当初予算としては戦後初めて税収を上回ったことについて、「戦争末期の軍事費が膨れあがった時くらいしかなかった。本来、あってはならない姿だ」と指摘しました。
平成22年度税制改正のうち(1)個人所得課税と(2)資産課税を中心に解説することとし、住宅・土地税制に関しては平成21年度税制改正によって創設された贈与税非課税枠の適用について解説しています。
(1) 個人所得課税
■扶養控除の見直し
「所得控除から手当へ」等の観点から、子ども手当の創設に伴い、年少扶養親族(〜15歳)に対する扶養控除(38万円)が廃止となり、高校の実質無償化に伴い、16〜18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分(25万円)が廃止されました。
扶養控除(年少)の廃止については、所得税は平成23年分から、住民税は平成24年度分からの適用となります。
子ども手当は平成22年度については、月額1万.3千円が支給されます

扶養控除の廃止と子ども手当

■非課税口座内の少額上場株式等の配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の創設
金融所得課税の一体化の取組の中で個人の株式市場への参加を促進する観点から、平成24年から実施される上場株式等に係る税率の20%本則化にあわせて、次の非課税口座内の少額上場株式等にかかる配当所得及び譲渡所得等の非課税措置を導入します。
1.非 課 税 対 象:非課税口座(注)内の少額上場株式等の配当、譲渡益
2.非課税投資額:毎年、新規投資額で100万円を上限(未使用枠は翌年以降繰越不可)
3.非課税投資総額:最大300万円(100万円×3年間[平成24〜26年])
4.保 有 期 間:最長10年間、途中売却は自由(ただし、売却部分の枠は再利用不可)
5.口 座 開 設 数:年間1人1口座(毎年異なる金融機関に口座開設可)
6.開 設 者:居住者等(その年1月1日において満20歳以上である者)
7.導 入 時 期:平成24年から実施される上場株式等の20%本則税率化にあわせて導入
8.口座開設期間:平成24年から平成26年までの3年間
(注)非課税口座とは、非課税の適用を受けるため一定の手続により金融商品取引業者等の営業所に設定された上場株式等の振替記載等に係る口座をいいます。

■生命保険料控除の改組
生命保険料控除を改組し、各保険料控除の合計適用限度額を現行の10万円から12万円に引上げられました。
⑴ 平成24年1月1日以後に締結した保険契約等(新契約)に係る生命保険料控除
新たに介護医療保険料控除を設け、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除のそれぞれの適用限度額が4万円となり、これにより控除の合計適用限度額が12万円に引き上がりました。
⑵ 平成23年12月31日以前に締結した保険契約等(旧契約)に係る生命保険料控除
従前と同様の一般生命保険料控除、個人年金保険料控除(それぞれの適用限度額5万円)を適用されます。

(2)資産課税
住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置について、経済対策のための時限措置として、所得制限(2,000万円)を付した上で、非課税限度額(現行500万円)を、平成22年は1,500万円、平成23年は1,000万円に引き上げられました。
■住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の特例措置の拡充
適用対象者をその贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下の者とした上、非課税限度額(現行:500万円)を次のように引き上げられました。
イ 平成22年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者……1,500万円
ロ 平成23年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者……1,000万円
(注)適用期限は平成23年12月31日まで。

(注)1.「合計所得金額」とは、次の@とAの合計額(総所得金額)に、退職所得金額、山林所得金額を加算した金額(※)をいいます。
@ 事業所得、不動産所得、利子所得、給与所得、配当所得、総合課税の短期譲渡所得及び雑所得の合計額
A 総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額の2分の1の金額
※1 申告分離課税の所得がある場合には、その特別控除前の所得金額の合計額を加算。
2 源泉分離課税される利子所得等は加算しない。
2.住宅取得等資金に係る相続時精算課税の特別控除の1,000万円上乗せ特例は、適用期限(平成21年12月31日)をもって廃止します。 なお、贈与者の年齢要件に係る特例(贈与者が65歳未満の場合でも相続時精算課税の適用が可能)は、平成23年12月31日まで2年延長します。
(2010年(平成22年)4月6日掲載)
     
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