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(注記)
1.この解説は平成22年4月1日現在の法令・国税庁通達等に基づいて作成しています。
2.この解説に示す事例は、下記に示す特定の事実関係を前提とした参考事例であり、
必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんので、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この解説内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。あなたの組合の具体的な事例については所轄の税務署法人税担当部門にお問い合わせ下さい。
税務相談,税務代理などの税理士業務ができる者は税理士、公認会計士、及び国税局長に対して通知を行い、一定の条件のもとで税理士業務を行うことができる弁護士に限られます。(税理士法 平成13年5月改正、平成14年4月1日施行)
有償、無償を問わず、これらの資格を持たない者(例えば××管理士など)が税務相談などを行った場合には税理士法違反として罰せられます。税務に関して、そのような例があった場合にはその者の氏名を日本税理士会連合会に照会ください。
税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼に応え、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命としています。
税理士制度は、このような公共的使命を負っている税理士が納税義務者の援助をすることによって、納税義務を適正に実現し、これによって、申告納税制度の適正かつ円滑な運営に資することを目的として設けられたものです。
駐車場の使用を区分所有者又は居住者のみとしている場合は不課税
1. 法人税
マンション管理組合又は管理組合法人(以下「管理組合」といいます。)が、その業務の一環として、その区分所有者(入居者)を対象として行っている駐車場業は、下記の条件での事実関係を前提とする限り、収益事業に該当せず不課税となります。(平成18年5月1日国税庁 Q&A)
(注)不課税とは、対価性がなく、資産の譲渡等に該当せず課税されないものを云い、非課税とは、資産の譲渡等のうち、課税しないこととされているものを云います。
マンション管理組合が行う駐車場業は収益事業に該当しないことの判定条件
@ 駐車場業は、その区分所有者を対象として行われており、外部の者は使用していないこと。
A 駐車場の敷地はその管理組合の共有部として管理されているものであること。
B 駐車場収入は、管理組合当該年度決算書において管理費・修繕積立金等の管理組合収入と同じく、管理組合収入として計上され、管理組合会計の中で一体として運用されていること。
C 駐車料金は、区分所有者(入居者)を対象として行っている収益を目的としない事業であるから付近の駐車場と比較し低額であること。
不課税となる根拠
@ 管理組合の構成員を対象として行う共済的な事業であること。
A 駐車料金は、区分所有者が所有している共有物たる駐車場の敷地を特別に利用したことによる「管理費の割増金」と考えられること。
B その収入は、区分所有者に分配されることなく、管理組合において運営費又は修繕積立金の一部に充当されていること。
(注)
税法における団地管理組合は「人格のない社団等」とみなされ、また、団地管理組合法人については法人税法第2条第6号の公益法人等とみなされます。ただし、寄附金、法人税率については、普通法人と同様に取り扱われます(建物の区分所有等に関する法律第47条第13項)。
【 関係法令通達】
法人税法施行令第5条第1項第31号
建物の区分所有等に関する法律第47条第13項
2. 消費税
マンション管理組合が収受する金銭に対する消費税の課税関係は次のとおりとなります。
イ 駐車場の貸付け………組合員である区分所有者に対する貸付けに係る対価は不課税となりますが、組合員以外の者に対する貸付けに係る対価は消費税の課税対象となります。
ロ 管理費等の収受………不課税となります。
【 関係法令通達】 消費税法第2条第1項第8号
区分所有者又は居住者以外の者に駐車場を使用させている場合の納税手続き
マンション管理組合が区分所有者又は居住者以外の者に駐車場を使用させている場合は、収益事業として駐車場事業を行っていると認定されますので、管理組合に申告納税の義務が発生します。
駐車場収入を管理組合会計の中で一体として運用することは出来ず、管理組合会計(非収益事業)と駐車場事業会計(収益事業)とを分別管理しなければなりません。
【 関係法令通達】:法人税法施行令
(収益事業を営む法人の経理区分)
第六条 公益法人等及び人格のない社団等は、収益事業から生ずる所得に関する経理と収益事業以外の事業から生ずる所得に関する経理とを区分して行なわなければならない。
納税申告書の作成は、税理士、会計士以外の者は代理人となることができません。
また、収益を組合員に配分せず、管理費、修繕積立金等の管理組合収入として計上されるものであることを管理規約に明記し、制度上、後で述べるLLPとは異なるものであることを明らかにしておく必要があります。
課税手続きと申告窓口
(A)管理組合が行わなければならない手続き
(a-1) 事業開始届けの提出
1.税務署
2.県(都)税事務所
3.市区町村(法人税担当部門)
(a-2) 申告納税
1.[法人税](税務署)
2.[消費税](税務署)
3.[地方税] 1.県(都)に申告納税するもの(事業税、県(都)民税)
2.市区町村に申告納税するもの(市(区)民税)
[法人税]
普通法人又は人格のない社団法等における法人税は年800万円以下の各事業年度の所得金額に対して22%、800万円を超える各事業年度の所得金額に対して30%です。
経費の算定に関する注意事項
(1)機械式駐車場保守費の経費算入に際し、駐車場の全部を外部貸しているのではなく、本来の不課税取引である区分所有者又は居住者が使用している駐車場の一部を外部貸ししている場合、保守費全額を収益事業の経費として算入することは出来ず、保守費の負担割合を合理的かつ適正に評価しなければなりません。
(2)区分所有者又は居住者が使用している場合には必要のなかった減価償却の算定が新たに必要になります。
(3)経費に算入できる修繕費の原則に則り「元の状態に戻す修繕=修繕費」と、「元より資産価値が高まる修繕=資本的支出」とに分け、資本的支出の場合は減価償却によって必要経費に計上することになります。
[消費税]
課税売上高が1,000万円を超える場合には消費税課税事業者届出書を税務署に提出し、申告納税します。
基準期間の課税売上高が1,000万円以下に収まっていれば、原則として免税事業者になります。課税売上高が1,000万円以下は消費税を納税しなくていいわけですから、有利に見えます。ところが、機械式駐車場保守費などの費用、即ち仕入にかかる消費税が、受取駐車料金の総額、即ち売上にかかる消費税よりも大きい場合には、消費税の還付を受けることができます。つまり免税事業者ではなく、課税事業者を選択し、申告すれば、消費税が還付されます。 基準期間の課税売上高が1,000万円以下に収まっている場合に、課税事業者になることを選択するためには、「消費税課税事業者選択届出書」を提出します。
この届出書の効力は、提出した日の属する課税期間の翌課税期間とされていますから、前もって提出しなければなりません。税金は支払うだけではなく、申告すれば逆に戻ってくることもあるのです。
[地方税]
法人税が各事業年度の所得金額に対して課税されるのに対し、地方税はたとえ事業が赤字になったとしても均等割は必ず納付しなければなりません。更に所得金額に比例する分に対して事業税が課税されます。
民法組合の特例制度(有限責任事業組合(LLP)等)は適用出来るか
平成17年(2005年)度税制改正において、租税特別措置法第27条の2《有限責任事業組合の事業に係る組合員の事業所得等の所得計算の特例》及び第41条の4の2《特定組合員の不動産所得に係る損益通算等の特例》が施行され、また平成17年8月1日には、有限責任事業組合契約に関する法律(平成17年法律第40号)(以下有限責任事業組合契約法)といいます。)が施行されました。有限責任事業組合は法人格を持たず、従って法人税は支払わないが、収益の分配を受けた組合員が所得税を支払うという日本版LLP ( Limited Liability Partnership:以下LLP
)であり、構成員課税(パススルー課税)が原則です。
欧米では、このLLPのほかに、会社組織に類似したLLC (Limited Liability Company:以下LLC)があり、日本でも「新会社法」(平成17年(2005年)7月26日公布)の施行により、いわゆる日本版LLCとして「合同会社」が導入され、2006年5月1日施行されます。法人格を持つ日本版LLCでは法人段階での課税となります。
LLPは非収益の管理組合法人やNPO法人と異なり、明確に収益目的の共同事業を行うための組織で、上に述べたように法人格は持ちません。また法人も組合員となることが出来る(例えばJR東日本・NTTドコモ・NTTデータの3社がSuica電子マネー普及促進のためのLLPを設立している。)ほか、出資比率にかかわらず、損益分配割合を組合員の全員同意で自由に設定できるなど、事業の自由度は高いのですが、管理組合の場合、次の二つの問題があります。
(1)全員一致の原則
民法組合における契約行為は組合員全員に及び、そのため民法組合の原則で意思決定も全員一致で行うことになりますから、組合員による全員一致がとりにくい大規模な管理組合では実際上、この形態をとることは困難です。
(2)構成員課税の原則
法人格はありませんから、構成員個人の所得として課税されます。
[所得税]
ア 任意組合形態をとる場合
平成17年度税制改正に伴い、民法667条第1項「組合契約」に規定する組合契約により成立する組合(以下「任意組合」といいます。)等の個人組合員の当該組合において営まれる事業(以下「組合事業」といいます。)に係わる利益等の課税の取り扱いについて整理がされました。(平成17年12月26日付課個2-39ほか2課共同「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(「法令解釈通達」)
任意組合の組合員の組合事業に係わる利益等の課税の取り扱いについては、所得税法上特段の規定が設けられていません。しかし、私法上、任意組合については、「組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる」(民法667条1項)(=共同事業性)とされ、さらに「各組合員の出資、その他の組合財産は、総組合員の共有に属する」(民法668条)(=財産の共同所有性)とされており、今回の税制通達改正においても任意組合事業に係わる利益等については、従来どおり直接その組合員が納税義務者として課税される構成員課税となることが明らかにされました。
即ち、駐車場の外部貸しを行っている管理組合が、駐車場業を任意組合形態で行った場合には、区分所有者個人は事業所得の分配を受けたものとして、所得税の確定申告を行わなければならないことになります。
任意組合等の組合事業に係わる組合員における利益等の額は、組合事業に係わる収入の額、支出の額、資産、負債等をその分割割合に応じて計算することとされていますが、当該計算は@総額方式(所得税基本通達36・37共-20(1)))によることを原則とし、継続適用を条件としてA中間方式(同20(2)))又は純額方式(同20(3)))によることも認められています。
イ 有限責任事業組合(LLP)の形態をとる場合
平成17年度税制改正において有限責任事業組合制度の創設に伴う税制面の対応として、有限責任事業組合契約法上、組合員個々が主体となって自ら事業を行う仕組みが確保されていること等を踏まえ、組合員を納税義務者とし、組合段階では課税しないこととなります。このため、有限責任事業組合の会計帳簿を作成する組合員は、有限責任事業組合の各組合員に係わる組合員所得に関する計算書を、組合契約に定める計算期間の終了の日の属する年の翌年1月31日までに、当該組合の主たる事務所の所在地を所轄する税務署長に提出することとされました、(所得税法227の2)
ウ 匿名組合の形態をとる場合
匿名組合契約とは、匿名組合員と営業者との二者間の契約であり、組合自体が権利・義務の主体とはなり得ず(商法535条,536条)、また、匿名組合契約においては、匿名組合員は営業者の営業から生じる利益の分配を受ける権利(利益配当請求権)を有します。(商法538条)
匿名組合契約に基いて営まれる組合事業に係る所得は、匿名組合員に直接帰属せず、いったんは営業者に帰属することとされ、匿名組合員に対しては営業者から分配される利益について課税されることとしています。(所得税基本通達36・3共-21)
匿名組合契約における匿名組合員は法制上組合財産の共有持分を有さないとする法的性格があること、及び実際上は営業者が主導権を持って複数の匿名組合契約を締結し多くの匿名組合員から事業資金の出資を募る手段として用いられるもので、その分配される利益については出資・投資の対価という側面が強く、匿名組合員が匿名組合契約に基き営業者から受ける利益の分配は雑所得とされていますが、(所得税基本通達36・3共-21)、これには但し書きがあって、組合事業や営業者の営業が所得税法上「事業」であり、かつ、匿名組合員が重要な業務執行の決定を行っている場合には、単なる出資者としてではなく、営業者との共同事業であると認められる場合には、事業所得など営業者の内容に従い、その所得の性質を決めることとされています。(所得税基本通達36・3共-21ただし書き)。
管理組合の駐車場事業を匿名組合形態とすることには、上に述べた法制上の制限があります。
過去に区分所有者又は居住者以外の者に駐車場を使用させていて、納税していない場合の修正申告の手続き
過去に区分所有者又は居住者以外の者に駐車場を使用させていて、納税していない場合には、事業開始年度にさかのぼって修正申告を行い、事業年度ごとの法定納期限から完納までの延滞税及び加算税を併せて納付しなければなりません。
加算税は、本来納めるべき税額を期限内に納めていない場合に課される類の税金で、ペナルティータックスといわれるものです。加算税には過少申告加算税,無申告加算税(納付するべき税額に15%の割合で賦課されます),不納付加算税,重加算税(事実の全部又は一部を隠ぺいしたときは、無申告加算税に代えて40%の加算税が賦課されます。)の4つがあり、それに延滞税と利子税を加えた6つが附帯税とされています。
なお、自主的に期限後申告を提出した場合には、加算税は15%ではなく5%です。
期限までに申告書を提出しなかったことについて正当な理由があると認められるときは、この加算税はかかりませんが、「正当な理由」については、法律を知らなかったという「法律の不知」は該当しません。
延滞税は、納めていない税金について、法定納期限の翌日から税金を納めた日までの日数に応じて計算されますが、納期限の翌日から2か月を経過するまでの期間は原則として年7.3%で、2か月を経過した日以後の延滞税は、年14.6%です。
なお、平成12年1月1日以後については、納期限の翌日から2か月を経過する日までは、年7.3%と前年の11月30日現在の公定歩合に4%を加えた率とのいずれか低い率になります。
確定申告し、納税している管理組合の実例
納税すべき収益事業を行っているにも係わらず、納税していない管理組合が多いのが実態でしたが、現在では税務署の税務調査を受ける組合が少しずつ増えています。組合員全員のお金を預かっているという自覚があれば、いつ、税務監査を受けても大丈夫という公開性が非常に重要だということも理解できると思います。税務署への確定申告によって第三者に公開することで、会計の確かさを確保できる利点があります。
収益事業を行っているA管理組合法人の例 (築20年、11階建て、284戸、自主管理、横浜市)
コインランドリー、自動販売機の事業収益、看板料、駐車場の外部賃貸などあわせて、800万円を超える事業収益を上げて確定申告し、納税しています。
この@ 収益事業、A 出費の削減(情報収集、業者コンペ、直接発注)、B 資産運用(年間2,000万円〜3,000万円の範囲で、元金が保証された社債や公債の投信で、年間受け取り利息65万円超の運用益を得ている)など、3本柱で組合財政の健全化に取り組んでいます。
平成19年3月3日掲載 平成20年1月1日見直 平成22年4月1日見直
| 1 | 1.1 | 1.2
| 1.3
| 1.4 | 2 | 3
| 4 | 5 | 5.1
| 6.1 | 6.2 | 7.1
| 7.2.1 | 7.2.2 | 7.3
| 7.4 | 8.1 | 8.2
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