P3 第3章 既存エレベーターの地震対策 マンションNPOホーム
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第3章 既存エレベーターの地震対策 エレベータの耐震対策を考えるときは、維持管理のトータルコストを考え、設備更新(メーカーによってはリニューアル、又はモダニゼーションという呼び方もしています)も一緒に考える必要があります。 エレベータの制御方式の変遷 保守会社がエレベータの更新を勧める主な目的が地震対策にあるのは間違いありませんが、一方、S59年(1984年)以前の古いリレー型の制御方式のエレベータは接点保守に手間がかかること、保守用品(業界ではデポと言います。=deposit)の在庫削減のためもあり、この機会に最新型のインバータ制御に更新して頂いたほうが災害時の復旧も早くなります。 余談ですが、ヨーロッパの古い街並みのホテルに泊まり、昔の映画にでてくるような扉を手で開ける方式のエレベータに出会い、驚かれる旅行者もいますが、地震国の日本ではさすがに、もうありませんね。この「かごにドアのないタイプ」はかご内に非常停止スイッチを設けなくてはいけないことになっています。(誤操作や乱用を防ぐために蓋付ボックス内に入っています。)-平成12年建設省告示第1429号第1第一号規定- |
S48年(1973年)ころまでは、定格速度60m/min以下のエレベーターは交流一段または二段速度(いずれも歯車付)で、60m/min以上では直流モータを使ったワードレオナード方式が主流でした。この方式は電動発電機(MG)を使っていましたが、S50年代(1970年代後半)になりますと、MGの代わりにサイリスタを使った静止レオナード方式がでてきます。このころまでは制御盤は多接点式継電器(リレー)が使われ、接点磨耗の保守に手間がかかっています。(保守員は今でもリレーの接触不良を防ぐためのリレーの接点磨きを続けています) S48年〜S59年(1973年〜1984年)の主流は交流帰還制御といって、かご実速度と指令速度を比較してサイリスタの点弧角を変え、誘導電動機の速度を制御する方式が主流になります。乗心地も着床精度、運行時間も従来より大幅に改善されました。速度指令にマイクロコンピュータが使用され出したのもこのころです。UP/DOWNの運転方向の切替えには電磁接触器(マグネットコンタクター)が使われますが、通常の運転ではほぼ無電圧状態でON/OFFされるので、接点の消耗が少なく、保守の手間も軽減されてきました。 S59年(1984年)ごろから、インバータ制御と呼ばれるVVVF制御方式がでてきます。誘導電動機に印加する電源の電圧と周波数をともに変えることによって、直流機と同等の制御特性を得ることができる方式です。 定格速度120m/min以上の高速エレベーターでは1984年ごろから既に、ギヤレス(歯車なし)でしたが、一般の低速エレベータでは、平成9年(1997年)ごろまでは歯車付が主流でした。しかし平成10年(1998年)以後は低速でもギヤレスが主流になっています。 インバータ制御のメリット:乗心地も着床精度、運行時間も従来より大幅に改善され、ヘリカルギヤーの採用で消費電力をほぼ半減することができるようになりました。勿論、保守の手間も大幅に軽減されました。 (マンションNPO 昇降機検査資格者2005/8/18掲載)
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